ノーコード開発プラットフォーム「AppSheet」の基本のキ

ノーコード開発プラットフォーム「AppSheet」の基本のキ

Clock Icon2021.04.04

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こんにちは、CX事業本部の若槻です。

今回は、ノーコード開発プラットフォーム「AppSheet」の基本的な情報をまとめてみました。

AppSheetとは

クロスプラットフォームで利用可能なアプリをコーディング一切なし、つまりノーコードで開発できるプラットフォームです。

ノーコードなのでアプリの開発はこんな感じのビジュアルエディターを使用して行います。 https://solutions.appsheet.com/how-to-create-an-app

AppSheetは企業としては2014年創業で、2020年にGoogleに買収されました。

そのためサインアップはGoogleアカウントで可能で、またGoogleのサービスとはシームレスに連携できるようになっています。Google スプレッドシートなどの編集メニューでAppSheetのアイコンと文字を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

サンプルアプリ

Google公式が提供しているサンプルアプリは実際にこちらで直接触って試すことができます。

またこちらは実際にアプリを作ってみた様子となります。

どんなアプリの開発に向いているか

AppSheetは下記のようなアプリの開発に向いています。

  • 用途が、データソース上のデータの単純なCRUDである(※)
  • データソースが、主要なSQLデータベースやクラウドサービスである
  • ユーザーは、社内やビジネスパートナーなど特定範囲である

用途が、データソース上のデータの単純なCRUDである

※こちらに関してはわたしの主観がかなり入っています。

AppSheetでのアプリ開発の基本的なステップは次のようになります。

  1. データソースを用意する
  2. AppSheetとデータソースを接続する
  3. AppSheetエディターでアプリを作り込む
  4. アプリをユーザーにシェアする

単一のデータソース上のデータをCRUD(作成、読み取り、更新、削除)する程度のアプリであれば、3.でのアプリの作り込みはほとんど要りません。データソースさえ用意できればあとは爆速でアプリを作ることができます。

データを読み取ってアプリ上で参照する方法(View Type)は下記のようなものがあります。

  • Deck
  • Table
  • Gallery
  • Detail
  • Map
  • Chart
  • Form
  • Dashboard

詳しくはこちらをご覧ください。

アプリ上でデータを入力する方法は下記のようなものがあります。

  • テキスト入力
  • 数値の増減
  • ファイルアップロード
  • カメラ撮影
  • QRコード読み取り
  • など

また、データソースをJoinしたり、ワークフローと結合したり、といった複雑な作り込みもある程度はできるようです。

ただし、あまり作り込みをし過ぎると、ソースコードが無いゆえアプリの開発が属人化(秘伝のタレ化)する、コーディングによるアプリ開発とさほど変わらない工数がかかっていた、などの弊害が生まれるため、データの単純なCRUD程度の用途のアプリの開発に留めるべきだと私は考えます。(これはAppSheetに限らずローコード、ノーコード全般に言えると思います)

データソースが、主要なクラウドサービスやSQLデータベースである

2021/4現在、データソースは下記のようなクラウドサービスやSQLデータベースに対応しています。数はそこまで多くはありませんが、主要なものは揃っていそうな感じです。

  • Google
    • Google Sheets
    • Google Forms
  • Microsoft
    • Microsoft Excel
  • Dropbox
    • Microsoft Excel
  • Smartsheet
  • Airtable
  • Apigee
  • Box
    • Microsoft Excel
  • Cloud Database
    • SQLServer
    • MySQL
    • DynamoDB
    • Postgres
    • MariaDB
    • Oracle
    • RedShift
  • Onpremises Database
    • SQLServer
    • MySQL
    • Postgres
    • MariaDB
    • Oracle
  • Google Calendar
  • Odata(Beta)
  • Salesforce

個人的にはDynamoDBに対応しているのがとても熱いです!(既定のデータソースとしてDynamoDBに対応しているローコード、ノーコードツールというのがなかなか無いのです)

ユーザーは、社内やビジネスパートナーなど特定範囲である

前述の通り複雑なロジックのアプリの作り込みに向いておらず、またデザインも画一的となるため、基本的には社内システム上のデータの参照や管理を社内やビジネスパートナーなど特定範囲のユーザーが使うアプリの開発に向いていると考えます。

利用可能なプラン

2021/4現在、プランには下記の4種類があり、最大10人のユーザーで任意のプランでアプリの構築とテストを行うことができます。

  • Premium:$5 / active user / mo
  • Pro:$10 / active user / mo
  • Business:Request a quote
  • Enterprise:Request a quote

詳しくは下記を御覧ください。

利用可能な認証プロバイダー

特定ドメインでのログインを指定の認証プロバイダーとすることができます。現在は下記の認証プロバイダーが利用可能です。

  • Active Directory
  • AWS Cognito
  • Google Domain
  • Okta(beta)
  • Open ID Connect

AWS Cognitoの設定方法については下記で方法が紹介されいます。

利用可能なプラットフォーム

開発したアプリは下記のプラットフォームで利用可能です。

  • Webブラウザ
  • Androidアプリ
  • iOSアプリ
  • Webサイトへの埋め込み

Webブラウザは、個別のアプリのURLを発行してブラウザからアクセスしてアプリを使用します。

Android、iOSアプリは、共有されたアプリがAppSheetアプリ内でミニアプリのように使用できます。

Webサイトへの埋め込みはiframeタグを使って行えます。

おわりに

ノーコード開発プラットフォーム「AppSheet」の基本的な情報をまとめてみました。

何かしらのシステムを開発・運用するにおいて、そのシステム周りのユーザー管理やマスターデータの管理をマネージメントコンソールやCLIでなくもっと簡単なUIで行えるようにして欲しい、という要望は結構出てきます。

そんな中、このAppSheetはデータソースとしてAWS DynamoDBに対応しているため、AWSで開発したシステムにてDynamoDBテーブルで管理しているデータを簡単にCRUDできるUIを提供できるハードルが技術的、工数的にぐっと下がったと言えます。(このDynamoDBに対応しているローコード、ノーコードというのが今まであまり無かった)

というわけで、次回は実際にDynamoDB上のデータをCRUDできるアプリをAppSheetで早速作ってみたいと思います。

以上

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